GREEN展にはキャンバスの作品も2点、出展しました。
そのうちの1つが「あるよるのはなし3」です。
作品について
「あるよるのはなし」は他にも色々描いていて
3よりたくさんありますが、番号を付け始めてから3つめです。番号は、たいてい、完成順につけることにしています。描き始めは、2よりも早いです。もしかしたら小川和紙を使ったアート展の出展作品より早いかもしれません。
日本画のキラキラに衝撃を受け、天然石粉末を自分の作品に採り入れかけた頃、制作していた作品のうちの1つです。
当時は、絵具を塗ったところに天然石粉末を惜し気もなく振り掛ける方法を用いていました。「あるよるのはなし3」は、F0ですが、まずキャンバスに全面的に絵具を厚めに塗り、その上に天然石粉末を振り掛けました。方解末の1番だったような記憶があります。違うかもしれません。側面にも振り掛けました。その前に胡粉ジェッソを塗ったかどうかは憶えていません。天然石の粉をかける前に、流れ星の跡のつもりで、画面の上部に絵具を掻き取るようにペインティングナイフで斜めの筋を入れたのは憶えています。そして、しばらく寝かせました。定着待ちです。
その後、天然石の粉を払い除けてみると、はたして大変キラキラし、ビックリしたのを覚えています。
そこからが、問題でした。筆が、削れるのです。ペインティングナイフでは思うように描画できません、少なくとも今の私の腕では・・・。かろうじて木のシルエットとホタルを描き、さてどうしたものかと途方に暮れました。気づいたら、さらに3つもグループ展に申し込んでいました。
全面的に振りかけていたのは、いつか見た日本画の光を再現したかったからです。ところどころ、キラッ!キラッ!と光るのです。この方法で再現できるかは謎でしたが、とにかく実験しました。しかし、筆が削れる、絵具が固まる前に振り掛けないといけないなどの問題が明らかになり、この方法は止すことにしました。そして、描画してからメディウムで接着する方法に切り替えました。この方法は透けて見えて楽しいということもわかりました。
最近はまた、絵具に振り掛ける方法を試したいと思っています。狭い面積なら大丈夫かもしれません。
3つのグループ展の準備の間、ずっと気がかりでしたが、何も手を加えないまま寝かせてありました。そして、いよいよGREEN展の準備が大詰めになった頃、3つのグループ展を通して仲良くなった自分なりの方法で加筆しました。メディウムで接着してさらに上から塗る方法も用いました。振り掛ける相手が絵具でもメディウムでも、その上からさらに塗ったらどのみち筆は削れるのですが、気にしないで塗りました。私らしい作品になったと思います。
「あるよるのはなし3」に関するツイートを拾い出しました。
記録によれば、最初に振り掛けたのは方解末の1番のようです。
額について
キャンバスの作品につていは、額無しにしました。これも個人的なサブテーマ「額ってなんだろう?」の一環です。あとは、お持ち帰りいただきやすさを重視した結果でもあります。
GREEN展への出展を決めた頃、F8の作品の制作にも取り組んでいました。その作品も出展予定でした。
素敵だなと思った額を取り寄せ、作品と一体化させてみたところ、作品がずいぶん大きく、重くなりました。愕然としました。F8のキャンバスはキャンバスだけなら、なんとか持ち帰れなくもない大きさです。しかし、額に入れることによりこんなに変化するものなのか、これでは到底持ち帰れそうにない、と思いました。大きかったから、なおさらだったのかもしれません。
しかしF0でもかなり大きく重くなりそうでした。かさばります。額を付けると、作品が正装した感じになり、しゃんとしてかっこよくなりますが、お客様から額を選ぶ楽しみを奪ってしまうことにもなると思いました。しかし、額付きのほうがいいとおっしゃるかたもいらっしゃるかもしれません。今後の課題のひとつです。
というわけで額も、差し箱も、黄袋もありませんが、緑のプチプチ付きです。
ありがとうございます。それでは、また。