3点目は「風のおくりもの2」です。
「1」は、こちらです。
作品について
「風が吹いて来て思いもよらない素敵なものが木から落っこちて来た」という画題が好きになり、別の表現でも描きたくなりました。そこで、描きました。アナログ作品としては2点目なので「2」としました。「木から落っこちて来た」というところが、GREEN展とも好相性だと思いました。
「1」ではどんどん描いているうちに木が消えてしまったのが残念だったので、「2」では木が残るように気を付けました。木から落っこちて来た実に天然石の粉を使用したら、お菓子のようになりました。杉の皮入り和紙の周囲のアルシュの部分も、風が吹いているような跡を付け、天然石の粉をあしらいました。ご覧くださった方、お買い上げくださった方に益々素敵な風が吹きますように!
額について
今回、額を何種類かご用意しました。「植物と人間」というところから個人的に「木工」をサブテーマのひとつにしました。加工の度合いにより既製品の白木(樹種不明、天然木とのこと)の額がどのように変化するか実験しました。
こちらの作品の額は、サンドペーパーの80番あたりから1200 番まで少しずつ番手を変えて切削および研磨、仕上げはミツロウワックスを1回塗布しました。その後、日を置いて幾度か磨きつつ乾燥させました。
白木の額は、それぞれ木目が個性的で全部好きです。当初、色を塗ろうと思っていましたが、木目を活かしたく検討の結果ミツロウワックスに落ち着きました。彫刻もしてみたくなりました。
白木の額については、加工したものも未加工(金具と紐はつけました)のものも、厚み調整材として杉の皮入り和紙(四方耳付)と見方によってギリギリ緑に見える紙が入っています。前者はこちらでご紹介したものの仲間です。
後者は、takeopaper.comにてわけていただきました。
ギリギリのところを狙ってみました。今回、GREEN展ということで緑とは何なのかについてあらためて考えました。緑は、私が好きな色のひとつです。しかし、私は緑についてよくわかっていませんでした。緑は、青と黄色が混ざると生まれるというのは頭ではわかりますが、では、どこまでが緑でどこからが青なのか、反対も、どこまでが緑でどこからが黄色なのかという疑問も生まれました。
そこで、ギリギリのところを。この紙は、光の具合によって緑にも見えます。不思議な紙です。この不思議を共有したくて厚み調整材にしました。もうひとつ理由があり、それは、この紙をターコイズになぞらえたのです。私は、石が好きなのですが、ターコイズは旅のお守りなのだそうです。贈り物の場合、特に効力を発揮するとかしないとか。ご覧になった方、お買い上げくださった方の人生という旅がさらに素敵なものになるように願いつつ作品の後ろに入れました。それから、全色共通ですが、この紙を選んだのは、縞々が面白いと思ったからでもあります。
反対側のギリギリを狙ったのは、ご感想ノートです。これはギリギリ黄色なのか緑なのかという問いかけが含まれています。どちらにしても、今、私が興味を持っていることのひとつに、層、透過、などがあり、これらのギリギリたちを緑にする方法は、透明絵具を上から塗るのに似ていて面白いです。
ありがとうございます。それでは、また。