東京駅の赤レンガからつくられたターナー色彩の絵具を使ってみました。

※こちらの「小さな小さな常設展」は2023年1月をもちまして終了となりました。様々な形でお力添えいただきありがとうございました。


アナログの制作を再開しておよそ1年。
私は、珍しい画材で絵を描こうとする傾向があるようです。

今回使用したのは、河内洋画材料店が企画し、ターナー色彩株式会社が製造した東京駅の赤レンガでつくられたアクリル絵具です。先日BIG OIL PASTELを購入したのですが

その時、偶然知りました。鉄分補給についつい買ってしまいました。・・・というのは半分冗談で、制作に使用しようとも思っていました。月光荘のアクリルガッシュで虹を描いたように、今回はレンガを描きました。

昨年から地元のコワーキングスペースで小さな小さな常設展をさせていただいているのですが、

地産地消もキーワードのひとつにしています。深谷市でレンガはつくられていたとのことで、ちょっぴり広域ですが地元の画材と思い、仲間に加えました。入間郡三芳町よりは近いです。

実際使ってみて、気に入りました。

最初、かなり薄くて黒っぽい感じの粉も確認されました。かなりランダムな感じの塗られ具合になりました。この状態も好きでしたが、だんだん、安定してきました。3枚制作し、3枚目は表面の様子がけっこうゴツゴツでこぼこした感じになりました。

粒子が、不揃いで、それがまた好きです。

それから、最初のうちはキラキラの粒もあった感じでした。とにかく大変興味深い絵具で、色々してみたくなりました。

限定5000個という情報も得、売切れてしまったらもう描けなくなってしまいますが、まだしばらくは描けそうです。熊さんなどもこの絵具で描こうかなと思ったり、リキテックスのトランスペアレントローアンバーで描いたの楽しかったなと思ったり(こちら↓の熊です)。

今回の絵具はアクリルガッシュなので透明性はそんなにありませんが、メディウムで透明度を上げたりはできるかもしれず、これまた何かおもしろい感じになるかもと思ったりはしています。リキテックスとターナーは相性悪いみたいなので、ターナーのが必要になりそうですが・・・。

あとは、どこかに水で薄めてと書いてあった気がしたのですが、今回チューブから出したままを使用した(基本的に、水を使いづらい環境なので、最近はチューブから出したままが多いです。水彩的表現、大好きなのですが・・・)ので、薄めたらまた違った感じになるのかもと思ったりしています。

支持体は、埼玉県小川町の紙すきの村の手漉き和紙です。

こちらの制作などでも使用しているのですが、4枚重ね合わせた「しあわせ」のオリジナル支持体です。

小さな小さな常設展では、最初のうちは使っていませんでしたが、試行錯誤を重ね暫定的に4枚重ねをメインで使うことにしました。今後、不都合が生じたらまた変更するかもしれません。

問題が生じるとしたらコストの部分になりそうですが・・・手にした時のしっかり感なども4枚の方が良い気がしています。インパクト大のおくりものとしてはやはり4枚が好きです。あとは、手間の問題もあります。やはり2枚より4枚の方がかかります。しかし、気に入っているのでしばらくはこちらです。

和紙の風合いを活かすため、裏側でサイジングし、ついでに接着しています(こちらに関しても、2021年に色々試行錯誤しました)。絵具を吸い込みがちなので、版画などに向いているかもと思ったりもしています。モノタイプとかつくってみたいです。

あとは、オイルパステルを加熱して吸わせるのも試したいです。

話が逸れましたが、今回制作したのは、自由に解釈できる作品です。

コワーキングスペースということで「積み上げ」「壁打ち相手になります/なってください」「ブレイクスルー」など、メッセージを送りたい人にそれぞれの想いを込めてご使用いただけたらと思いました。

メッセージを書き込めるスペースも、小さな小さな常設展史上、最大になっています。表裏です。片側はレンガがありますが、その部分も壁画を描いたりもできます。

葉書の下半分より少ない面積に絵を描くと、ウォールポケットに入れたときキャプションを付けやすいということにも気づきました。これまでは全面的に描いていたので、その前にキャプションは付け辛かったのです。かといって、裏側に入れておくと一覧性は得られませんし・・・。

レンガは、もっと色を混ぜたり重ねたりすることもできたかもしれませんが、無料でできるギリギリを追求しました。昨年、有難いことに無料と有料の違いについてもハッキリさせたほうがいい機会にも恵まれ、色々悩んだりもしましたが、2022年以降はさらにわかりやすくしていけたらと思いました。

レンガとレンガの間の線は、和紙の厚さを活かし、凹ませて立体的につくってあります。

積み方も、調べました。長手積み、小口積み、フランス積み、イギリス積みなどありました。熊谷市との関連性も調べましたが、ピンと来る(描きたいと思えるような)エピソードを見つけることができず、まずはただただ3通り積んでみました。そのうち何か見つかったら、別バージョンをつくるかもしれません。

イギリス積みは最小公倍数になったら縦が揃ってしまうのでは?という謎について調べ切ることができず・・・自信を持ってイギリス積みで描きましたと言えません。長手積みとフランス積みはわりとそれらしく描けた気がします。小口積みは溝をつくるのも塗るのも大変そうだったので、手間の問題で見送りました。ちょうど、つくってあった支持体が3枚だったので、3種類にしておきました。そう、オリジナルのしあわせ4枚重ねの支持体は、つくりおきが必要なのです・・・。

次の土日のどこかでクマガヤベイスさんに納品予定です。封筒付きです。

ありがとうございます。それでは、また。

ご紹介、ありがとうございます。
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この記事を書いた人

絵を描くのと石を眺めるのが好きです。緑も好きです。SWELLも好きです。名前の由来はFAXDMです。白黒のA4。あとは「塞翁が馬」みたいな意味も込めました。

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