最近、和紙をわけていただきました。そこで、和紙とアクリル絵具と私の相性を確認することにしました。
まずわかったのは、マスキングテープを使うと表面が剥げるということでした。これは固定したい時に不便です。しかし、表面を少し剥がしたい場合や凹凸をつけたい場合などは便利です。紙やすりでこすっても面白い感じになりそうでしたが、この日は試しませんでした。
そして、いよいよアクリル絵具です。GREEN展に向けて準備中なので、緑の絵具を中心に色々塗ってみました。写真だとあまり伝わらないかもしれませんが、右側のはマスキングテープや養生テープで表面をちょっと剥がしてあります。
塗った相手は、ハガキ大の和紙2種類です(郵便番号の枠もあります)。埼玉県の小川町というところの和紙です。小川町は重要無形文化財「細川紙」の産地ですが、今回使用した葉書たちは細川紙ではありません。なぜなら、パルプが入っているからです。細川紙を名乗るには、楮(こうぞ)100%などの要件があるようです。そして、楮100%のハガキは諸事情により無いそうです。特注ならつくっていただけるのかもしれません。小川でも細川でも素敵なものは素敵だと思います。それから滲み止めを塗ってあるかどうかについて確認するのを忘れました。忘れたというか、ちょっと話し辛い感じだったので、難しかったのです。
なぜ今までアヴァロンなどに描いていたのにパルプ入りのを使うかというと、和紙に描いてみたかったからです。そして、出かけた先で見つけたのがパルプ入りだったからです。それから、パルプ入りのも使用してみることにより、寿命以外に楮100%のものとの違いもわかるかもしれないと思ったのもあります(寿命は恐らく紙たちより私の方が先に死ぬので確かめようがありません。描き味その他もろもろです)。
ネットで楮100%のを買うことも検討しましたが、今回、人を介してわけていただきたい気がして、このようにしました。直接人に会って(紙も実物を拝見して)わけていただくことのメリットデメリットはありますが、実際会ってみて、私はやはり文字でのコミュニケーションの方が好きかもしれないと思いました。今後どうなるかわかりませんが、場合によってはうんと遠くの職人さんと文字だけでやりとりしてわけていただくことにするかもしれません。
アクリル絵具は、リキテックスのレギュラー、ソフト、ガッシュアクリリックプラスなど、手あたり次第だったのでよく覚えていません。とにもかくにも、リキテックスのを使用したことだけは確かです。リキテックスリキッドは使用しませんでした(和紙に垂らしたら楽しそうです。曲がらなければ。実験はまだしていないので、どのくらい曲がるのかはわかりません)。加水せずチューブから出したままのを塗りました。
チューブから出したままを塗ったせいか、そんなに伸びない感じがしました。伸びを期待している場合は、もやもやするかもしれません。伸びはどうでもいい場合は大丈夫そうでした。そして、和紙は、なんだかあったかい感じがするのでした。それだけは確かでした。この風合いは、なんだか好きです。
そして、問題が起きました。曲がるのです。アクリル絵具を塗った直後より、時間が経ってからのほうが曲がりが強くなる感じでした。これは、その後、逆に曲げるとほぼ平らになることがわかりました。しかし、場合によっては作品にヒビが入るなどするかもしれません。あと、住所の側に御神渡りのような跡がついたり。
また、後で逆に曲げればいいやというのは描画中に曲がることを防ぐのは難しいのです(今、水張りを回避したくて試行錯誤中です)。今回は、水分を加えずに実験しましたが、水が多めの場合、もっと曲がりそうです。描いている時から曲がりそうです。そして、水が多めの場合、絵具が動きやすいので、曲面に沿って垂れるなどしそうです。この効果を狙うならピッタリですが、絵具に動いて欲しくない場合、困ったことになるでしょう。
そして、かねてから興味のあった実験をすることにしました。その模様は、別の記事に書きます。
ありがとうございます。それでは、また。